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月の満ち欠けによって暦を作っていた太陰暦(旧暦)では、7、8、9月を秋としていていました。その真ん中の8月15日を中秋といいます。
月の観賞は中国から伝えられた行事で、日本では9世紀末ころから宮中で月見の宴が行われていました。秋は空が澄み渡り、月の高度もほどよく眺められる良い季節なので、月を楽しむ習慣が継続しているのでしょう。

この中秋の名月の習慣は、現在ではおだんごとすすきを供えて月を愛でるのが一般的ですが、地方によっては、豆やいもなどをお供えしたり、早く採れたイネ(早稲)を供えるなど、農作物の収穫と関連した行事が行われています。これが、もともとの中秋の名月の行事であったと考えられています。
特に、月ははるか昔から、農作の守護神として世界的に崇められる傾向がありました。このようなことから、中秋の名月は農作物の実りに感謝するという意味もこめられていたのかも知れません。


回答作成協力: 国立天文台広報普及室(現 天文情報センター普及室)


■参考資料
谷川健一(著者代表) 「日本民俗文化大系[普及版]第二巻 太陽と月 = 古代人の宇宙観と死生観 =」、小学館(1994)
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