月は私たちの身近にあります。
そのために、空気のように、ふだんその存在を意識することは少ないかも知れません。
しかし、月にはいまだ解明されていない、大きな謎がいくつも隠されています。
特に、月がどのようにしてできたかという問題には、いまだに定説がありません。
月のでき方を調べることは、地球のでき方を知ることにつながってきます。
なぜなら、月と地球は一体でできたと考えられているからです。

人類が宇宙に進出した時、まず到達の目標となったのは「月」でした。
そして今でも、人がたどりついた地球以外の天体は月だけです。

近年、クレメンタイン計画、ルナープロスペクター計画によって、月の極地域に氷が存在する可能性がクローズアップされて来ました。
しかし、アポロ計画、クレメンタイン計画、そしてルナープロスペクター計画も、月そのものに関わる謎を解明するために十分なデータを得るには至ってはいないのです。
そして今、月の謎を解明すべく、世界中で新しい月探査が次々と計画、実行されています。
これらの探査により、月の起源の謎が解明されることが、期待されています。

月の起源についての謎が解明されたら、次は何をするのでしょうか。
月は、人類にとって残された広大なフロンティアでもあります。
資源は豊富ですし、太陽光もいくらでも手に入ります。
しかし、昼と夜の温度差、空気のない環境など、克服しなければならない問題もまた、たくさんあることも事実です。

この未知の領域を開発して、人類に役立てるための研究も進められています。
月面車(ローバ)を利用する探査により、月の広い領域を細かく調べることができます。
ルナーパラソルや「ガラスの海」システムは、月面でエネルギーを効率的に使うための基礎技術となるでしょう。

これらの技術を利用することによって、月面にも天文台や活動基地が構築される日が、いずれやってくることでしょう。


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