本日、月探査情報ステーションのリニューアルを実施いたしました。
旧サイトは、2003年1月にリニューアルが行われたものです。それ以来約13年間にわたって同一の形で公開されておりました。しかし、その13年間に、ウェブ技術もコンピューター技術も長足の進歩を遂げました。2003年にはスマートフォンもソーシャルネットワークサービス(SNS)もありませんでした。
また、サイト開設以来、コンテンツの管理は基本的にファイルを編集する形で行われてきました。このため、複数人でコンテンツを管理することや、外出先などからコンテンツを更新することなどが難しい状況でした。もちろん、今や大規模なウェブサイトでは必須となっている、コンテンツ管理システム(CMS)も装備しておりませんでしたので、忙しいときにはコンテンツがほとんど更新されない(できない…時間がない)ということも多々ありました。

本日公開された新しいサイトは、このような状況を解消し、月探査情報ステーションが真に新しい、現代的なサイトとして生まれ変わることを目指して作られたものです。


新サイトの主な特徴

以下、変更点のうち重要なものを申し上げます。

デザインを一新

旧来の太陽・月・地球をモチーフにしたデザインを一新し、月をイメージした柔らかいデザインになりました。これまで本サイトにはあまり足を運ばなかった、女性やお子様にも親しみやすいデザインとなっています。
従来は古いページに広告やSNSボタンがあとから追加された形であったため、かなり見にくい部分もありましたが、これを全面的に整理し、サイトデザインがすっきり見やすくなりました。
また、トップページには印象的なスライドを配し、よりビジュアルなインパクトを与えるようになりました。このスライドは随時見直され、旬の話題にトップページからダイレクトに飛ぶことができるようになっています。

コンテンツ管理システムとしてワードプレスを採用

コンテンツ管理システム(CMS)として、大規模なサイトでも採用され、高い実績があるワードプレス(WordPress)を全面的に採用しています。これまで、月探査情報ステーションブログはワードプレスを利用してきましたが、今回のリニューアルにより、その利用はサイト全体へと広がります。
複数人での作業が容易になるほか、下書きや公開終了日設定などの柔軟なコンテンツ管理、カテゴリー管理によるコンテンツ整理、RSSの自動発行など、CMSとしての機能をフル活用し、膨大なコンテンツを抱える月探査情報ステーションの維持・運営の負担を一気に軽くします。
もちろんワードプレスの機能により、サイトは最新のHTML規格、HTML5に完全対応しています。

完全モバイル対応

従来の月探査情報ステーションのページは横幅が固定されており、モバイル端末でご覧頂いても文字が大変小さくなってしまうなど、使い勝手は決してよいものではありませんでした。
今回リニューアルした月探査情報ステーションは、基盤としているワードプレスの機能に加え、採用しているテンプレートの高度な機能により、完全モバイル対応を実現しています。月探査情報ステーションをパソコンでご覧いただいても、スマートフォンでご覧いただいても、同じ内容、同じ(ような)画面デザインをお楽しみいただけます。従来のように、スマホでみるときに画面をいちいち拡大する、などといった必要はもうありません。

コンテンツ階層を整理し、よりわかりやすく

従来、月探査情報ステーションには、「月を知ろう」「月と遊ぼう」「月・惑星へ」という3つの大きなジャンル分けがありました。その下に20を超えるコーナーがぶら下がる構造となっていました。
このような構造はわかりやすいのですが、ジャンルに関してはあまり活用されておらず、結果としてコーナーやジャンルの間の行き来が非常にしにくい構造となっていました。
今回、リニューアルに合わせてコンテンツ階層を整理し、ジャンルを新たにしっかりと分けるとともに、コンテンツ間の行き来がしやすいようになっています。今後、ジャンルをより広く活用し、異なるコーナー間をつなぐ場所としてより有効に活用してくことを考えています。

よりわかりやすいナビゲーションへ

月探査情報ステーションの弱点として、ナビゲーションがわかりにくいという声が従来より多数寄せられておりました。例えば以前のサイトでは、トップページへのジャンプは左上のアイコンをクリックして行えるのですが、これになかなか気づかないユーザーが多かったという問題がありました。また、コーナーごとの移動もかなり難しい状況でした。
新しいページではナビゲーションが一新され、より便利になっています。ページ内にはプルダウンメニューが設置され、どのコンテンツへもメニューから一発でジャンプできるようになっています。
また、ページの上位には常に検索ウィンドウが設置されているため、興味あるキーワードでの検索をすぐに行うことが可能です。

ソーシャルネットワークとのより強い連携

繰り返しになりますが、従来の月探査情報ステーションのデザインができた2003年当時は、ソーシャルネットワークはまだありませんでした。あったかも知れませんが、これほど社会に浸透はしていませんでした。
月探査情報ステーションの旧来のページは、そのようなこともあってソーシャルネットワークとはほとんど無縁でした。ツイッターやフェイスブックでの共有は、ユーザーがURLやページタイトルをコピーして行う、という前時代的なものにとどまってしまっていました。
新しい月探査情報ステーションのページは、ソーシャルネットワークを十分に考慮したデザインとなってます。右側には常にツイッターとフェイスブックの投稿状況が表示され、ページのいちばん下からは、ツイッター、フェイスブック、グーグルプラスへの共有を1クリック(1タップ)で行えるボタンが登場しました。気に入ったページや友人に教えたい内容があれば、ボタンを押すだけで完了です。


コーナーの統合・廃止について

今回のリニューアルにより、以下のコーナーが変更されています。

  • 以下のコーナーが統合されています。
    • 「はやぶさ」「世界の惑星探査」→惑星探査
      ※但し、まだコーナー自体は旧サイトのままです。
    • 「日本の月探査」「月探査機」「将来の月探査」→月探査
      ※但し、まだコーナー自体は旧サイトのままです。
  • 以下のコーナーは廃止されました。
    • ツキノコヨミ…作成から15年以上が経過し、コンテンツを維持・管理することが困難となったため、廃止いたしました。
    • トピックス…すでにコンテンツとしてはほとんど中身がなかったのですが、今回のリニューアルで正式に廃止されました。

URLの変更について

今回のリニューアルは、システム自体を大幅に変更しているため、該当しているすべてのページのURLが変更となっています。
リニューアルに際し、新旧ページをスムーズに移行できるよう、できる限りのURL転送を行うように設定を行ってはおりますが、すべてのページを網羅しきれてはおりません。どうぞご了承ください。
また、月探査情報ステーションにリンクされている方は、該当コンテンツを確認の上、必要に応じてリンクの設定の変更をお願いいたします。
以下、大きく変更された点について概要を記します。

  • これまでの月探査情報ステーションでは、「ジャンル」の概念は薄く、URLにも反映されておりませんでした。新しいサイトでは、ジャンルの概念がURLにも導入され、https://moonstation.jp/(ジャンル名)/(コーナー名) という形が基本となっています。また、従来からあった日本語を示す部分「/ja/」がなくなりました。例えば、「月の雑学」であれば以下のような形です。
    (旧) https://moonstation.jp/ja/popular/
    (新) https://moonstation.jp/discover/popular/
  • ファイルベース管理からCMSによるコンテンツ生成へと移行したため、末尾に「.html」がつかなくなりました。例としては以下のような形です。
    (旧) https://moonstation.jp/ja/science/data.html
    (新) https://moonstation.jp/discover/science/data
  • CMSとして利用しているワードプレスの仕様により、URLは小文字のみとなっております。

今後移行するコーナー、移行しないコーナーについて

今回のリニューアルまでに多くのコーナーの移設を行ってきましたが、現時点でまだ移設が行えていないコーナーが存在します。これらのコーナーについては、今後順次移行していく予定です。

  • 今日の月
  • 月探査占い
  • 月クイズ
  • 火星・赤い星へ
  • 月探査
  • 惑星探査
  • はやぶさ

また、「仮想月開発プロジェクト」は、ページ数が膨大であること、デザインが非常に古いため移設が難しいコンテンツが多数存在すること、移設にかかるコストに見合うアクセス数が期待できないことから、従来のページのままの公開といたします。

また、移設したコーナーの中にも、古いコンテンツは旧来のページが表示されるものもあります(例としては「最新情報」「月に関する研究発表」など)。これらの古いページについては今後、移行にかかるコストなども考慮の上、移行するかどうかを決定します。


皆様へのお願い

今回のリニューアルは、13年ぶりであるばかりではなく、月探査情報ステーションが1998年11月に開設されて以来、最大規模となるリニューアルです。
デザインやシステム、さらにはこれまでの考え方やウェブに関しての概念をすべて一旦リセットした上で、月探査情報ステーションをこの時代にふさわしいサイトとしてリニューアルすべきか、関係者間で議論を重ね、テストや移行作業を行ってきた成果がこのリニューアル後のサイトです。予備調査から数えますと約3年間という時間を必要としました。また移行対象のページは約2600ページ(推定)と、規模としても非常に大きなものとなっているだけでなく、ファイルベースからCMSベースへの移行により、形も大きく変化しています。

また、大規模かつ全体的な変更のため、今後しばらくは皆様にご迷惑をおかけすることもあるかと思います。例えば、グーグルやヤフーなどで検索した結果見つけたページが存在していないエラーとなるといったケースも考えられます。これらは、検索エンジンが新サイトの状況を認識していくにつれ解決していくと思われますが、少なくともしばらくの間はこのような状況になる可能性もあります。

今後、我々が思いもよらなかった箇所などで問題がみつかる可能性もあります。リンク切れなどの比較的小さな問題から、サイト閲覧ができない、といった重大な問題まで、いろいろな問題が発生する可能性があります。
月探査情報ステーションでは、できる限り皆様のご要望にお応えし、よりよいサイトを目指していきたいと主ます。リニューアルサイト公開はスタートでしかありません。
もし問題点を発見しましたら、お問い合わせフォームからご連絡いただくか、月探査情報ステーションのツイッターフェイスブックページなどからのご連絡をお願いいたします。皆様がより快適に閲覧し、楽しめるサイトを目指し、編集長以下スタッフ一同、これからも一層奮闘してまいる所存です。

月探査情報ステーションは、今後も最新の月・惑星探査情報を「わかりやすく」「正確に」「素早く」お伝えするという使命を堅持し、新しいサイトを最大限活用し、より多くの方に情報をお届けできるように努めてまいります。
皆様のご支援、ご指導をどうぞよろしくお願いいたします。

月探査情報ステーション  編集長  寺薗 淳也