2016年の打ち上げを目指して開発が進められることになったアメリカとヨーロッパ共同の火星探査計画の名前が、このほど「インサイト」(insight)に決定しました。

インサイト想像図インサイト計画の想像図(NASA/JPL)
 

この「インサイト」計画は、NASAが行う小規模の惑星探査プログラム「ディスカバリー計画」の一環として提案されています。目的は、火星の内部構造、とりわけ中心部の構造を探ることにあります。
「インサイト」は、「地震波調査による内部構造探査」の英語名称(Interior Exploration using Seismic Investigations)の略ということになっています。この計画は、NASAジェット推進研究所(JPL)をはじめとして、ロッキード・マーチン宇宙システム、フランス国立宇宙センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)、さらに他のNASAセンターなども加わる、アメリカとヨーロッパの共同計画となっています。この計画、以前の名前はGEMS(GEophysiucal Monitoring Station: 「ゲムス」と読むのでしょうか)でした。ところが、この名称は既に開発が始まっている別の衛星、重力・極端磁気小型探査機(Gravity and Extreme Magnetism Small Explorer)とまったく同じ名前(略称)になってしまうことから、NASAが改名を求めていました。
インサイト計画の主任科学者であるJPLのブルース・バーナード氏は、「インサイト(洞察、実態を見抜く力、といった意味です)という言葉は、火星の内部構造を見通す今回のミッションにぴったりの名前だ。この探査機に搭載される機器を通して、私たちは火星の中心をも見通すことが可能である。そして、火星の地殻の厚さや、コアの大きさなどを知ることができるだろう。」と、抱負を述べています。
このインサイト計画は、現在次のディスカバリー計画で実施される探査の最終候補3つの中の1つとなっており、概念検討の結果を3月19日までに提出することになっています。