今年9月に打ち上げられる予定の月探査機グレイルが、このほど、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラルの打ち上げ施設へと運び込まれました。
このグレイル探査機は、2つの探査機(GRAIL-AとGRAIL-B)からなっているのですが、両方ともコンテナに梱包され、飛行機で輸送されてきました。探査機の出発地点は、この探査機の組立が行われていた、コロラド州デンバーのロッキードマーチン宇宙システム社で、ここから、ケープか鍋原れる(ケネディ宇宙センター)にほど近いティトゥスビル(タイタスビル)という街まで飛行機で輸送されてきました。
運ばれてきた2つの探査機は、5月23日には梱包コンテナから取り出され、週の後半には、機能試験と状態チェックが行われる予定です。このあと打ち上げまでの4ヶ月の間、アストロテック社の施設での試験が続けられます。試験後は燃料の注入及び衛星フェアリングへの格納が行われます。この状態でケープカナベラル空軍基地(ケネディ宇宙センターに隣接する空軍基地)へと輸送され、ここで打ち上げロケット(デルタII)へと組み付けられ、打ち上げを待つことになります。
ケープカナベラル空軍基地に運び込まれますと、第19組立場にてロケットとの組み付け作業が実施されます。打ち上げは9月8日〜10月19日(アメリカ東部夏時間)の範囲となっており、最も早い打ち上げ予定日となる9月8日の場合、打ち上げ可能時間帯は、午前8時37分〜午前9時16分(アメリカ東部夏時間。日本時間では同日午後9時37分〜午後10時16分)となっています。
グレイルは、2つの探査機からなるという珍しい形態を持った月探査機です。両者は組になって月のまわりを周回し、これまでにない正確さで月の重力場を測定します。これにより、月、そして地球がどのように形成されたのか、という長年の疑問に答えを出すことを目指しています。
グレイルの探査責任者であるマサチューセッツ工科大学のマリア・ズーバー教授は、「あと何回か満月を迎えれば、私たちの探査機は月へと向かう。この探査機は、月と地球の謎を解明するだけでなく、将来の月探査にも重要な情報を提供することになるだろう。」と述べています。
・JPLのプレスリリース (英語)
  http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2011-153
・グレイル (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/GRAIL/